2021年3月は胃カメラ 408例、大腸カメラ 267例、内視鏡総検査数は675例で過去最高でした。
内視鏡治療もEMR/ポリペクトミー 93例、ESD(粘膜下層剥離術)3例でした。
みんな全力でがんばりました!
今回はピロリ菌と胃がんの話を少ししたいと思います。ピロリ菌が胃がんの主な原因となっている事はみなさんある程度ご存じかと思いますが、ではピロリ菌感染がないと胃がんにならないのか?と言うとそれは間違いです。全胃がんのおよそ1%にピロリ菌陰性胃がんがあると報告されています。
2019年1月~2021年3月までの間に当院で見つかった胃がんは46例です。その内、ピロリ菌未感染症例が5例ありました。年齢は40代 1例、50代 3例、70代 1例とピロリ菌陽性の胃がんの方と比べ年齢層が若い印象です。当院のピロリ菌陰性胃がんの割合は10-11%程度で全国の報告よりかなり高くなっていますが、これは胃がん総数がまだ少ないためと、もしかすると当院で内視鏡検査を受けられる方に若い方が多い事も少し関連しているのかもしれません。5例のピロリ菌陰性胃がんの内2例は進行癌でしたが、その他の症例は極早期で内視鏡治療(ESD)だけで完治しています。
ピロリ菌陰性であってもやはり2年1回程度は胃カメラを受けられる事をお勧めしています。
もう一つ気になるのは、ピロリ菌除菌後の場合ピロリ菌はもういないので自分は胃がんにはならないと思われている方が多くおられる事です。
ピロリ菌を除菌する事で胃がんのリスクを1/3にできますが、裏を返せば1/3はリスクが残ると言う事を気にかけておかなければなりません。ピロリ菌除菌後の方はできれば年に1回の胃カメラ検査をお勧めしています。
今月もよろしくお願い致します! 院長 松坂 紀幸